スマートリモコンでありながら、温湿度計としても機能するSwitchBotハブ2。スマートリモコンに温湿度計センサーを組み込むことで、「夏は一定気温を上回るとエアコンが自動でON」「冬は一定気温を下回ると暖房が自動でON」など、エアコンや扇風機を実際の温湿度に合わせて柔軟に自動化することができ、節電にも繋がります。これらは、「温湿度計を内蔵したからこそのメリット」と言っても過言ではないでしょう。
さて、今回は「如何にしてより精確な温湿度に基づいた操作を実現するか」について、お話しします。
より精確に温湿度を感知するには……?
より精確な温湿度を感知するのに欠かせない事……それはズバリ!「センサーを内蔵する位置」です。

温度センサー本体に内蔵しても、チップの温度を感知するだけ
温湿度センサーを本体に内蔵すると、実際の室内の温度ではなく、本体に内部にあるチップの温度を感知することになります。例えば、室温25℃の環境下で、サーモグラフィを通してハブ2を見てみると、中心のチップ部分の温度が非常に高くなっていることが分かります。これはパソコンなどすべての機器がそうであるように、チップへ負荷がかかるほど、大量の熱が発生することによるものです。
同様に、スマートリモコンのWi-FiチップはBluetoothチップとは異なり、頻繁なネットワーク接続時に多くの熱が発生し、本体内の温度が室温より高くなります。さらに、ハブ2はディスプレイにLEDライトを採用しているので、ダブルで熱を放出。この状態でもしも本体に温湿度センサーを内蔵すると、温湿度センサーが感知するのは、Wi-FiチップとLEDライトによって発生した熱の温度です。
ではどうすれば良いのか?試行錯誤の結果……

試行錯誤① 中心から遠い部分に内蔵→失敗
まず考えたのが、本体中心部分の温度が最も高いので、なるべく中心から遠い位置にセンサーを内蔵するという方法。しかし、それでも室内の気温に比べて若干高い温度を検知する結果に。
試行錯誤② 物理的に冷却→普通に失敗
パソコンのように冷却装置を搭載することも考えてみましたが、ハブ2は非常にコンパクトなので、冷却装置を搭載するスペースなど無く、物理的に難しいことが判明……。
試行錯誤③ アルゴリズム(?)法→とにかく失敗
そして次に考えたのがアルゴリズムを用いて精確な温湿度の値を導き出す方法です。
アルゴリズムでWi-Fiチップがどのような状況下で、どの程度の熱を発生させるかを算出し最適化。これはいける!とは思ったのですが、アルゴリズムは必ずしも正確ではないし、外的要因も考慮するとやはり「精確」とは言えないでしょう。よって断念。

そもそも「本体以外の位置がベスト」だと気づく
温度を最も精確に感知するためには、「そもそも温湿度センサーをチップの温度に影響されない位置に取り付ける」という結論にたどり着きました。そこで、ハブ2では温湿度センサーを「コンセントケーブル部分に内蔵」することに!また、スイス製の高精度チップを採用し、温湿度をより精密に感知することが可能になりました。
ケーブルにセンサーを搭載する、という構造を革新するプロセスで試行錯誤した結果、ほかにもいろいろな閃きが生まれました。例えば「CO2センサーも搭載できないだろうか」「人感知センサーは実現できるだろうか」など、どれも面白いアイデアだと思います。皆さんも何か面白いアイデアを思い付いたら、ぜひコメントください。ひょっとしたら皆様のアイデアからより万能なケーブル線が誕生するかもしれません。

SwitchBot ハブ2

SwitchBot ハブミニ