SwitchBotハブ2は、スマートホームハブ・スマートリモコン・スマート温湿度計・スマートボタンという4つの機能を備えたデバイスです。ネットワーク経由でSwitchBot製品群を連携するハブデバイスSwitchBotハブミニの上位モデルとして2023年3月24日に発売されました。スマートホームハブ機能が新統一規格「Matter」に対応し、IR Decodingを搭載したスマートリモコンとなっています。(IR Decodingは4月以降のファームウェアアップデートで対応予定)

本製品は、スマートホームデバイスをHomeKitやAlexa、Google Homeなどプラットフォームの垣根を越えて利用できるようにするための規格「Matter」に準拠しています。これにより、iPhoneやHomePod、Apple Watchユーザーの方でも「Hey,Siri!カーテンを開けて」というウェイクワードでSwitchBotカーテンを操作する、といったことが可能になりました。
今回は新発売を記念して、Matterについての解説やSwitchBotハブ2のポイントなどをたっぷり解説します。Google HomeやAmazon Alexaに加えてHomeKitから便利にSwitchBot製品を操作したいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
Matterとは?
Matterは、異なるプラットフォームを連携できるITプロトコル通信をベースとしたスマートホームの新しい通信規格。Apple HomeKitやGoogleアシスタント、Amazon Alexaなどは、Matterにサポートされているため、メーカーを問わずさまざまなスマートホームブランド製品との連携がしやすくなります。
Matterは、シンプルで安全なIoTを実現することを目的として作られた、安全性の高い接続を約束する業界標準規格です。特定の無線規格だけでなく、Ethernet、Wi-Fiなどさまざまなネットワークで動作します。それぞれのデバイスやエコシステムのギャップを埋め、これまで乱立していたスマートホーム規格を統一する画期的な規格だといえるでしょう。
Matter対応に対応していれば、Amazonアレクサに話しかけるだけでGoogleデバイスを操作するといった、メーカーの垣根を越えた操作ができるようになります。通信や系統が乱立していたスマートホーム業界ですが、Matterの誕生により設定や相互接続などにおいて横断的な操作が可能となりました。
Matterに対応するとどうなる?
Matterは、異なるプラットフォーム間でスマートホームデバイスの相互運用性を認証するプロトコルです。Matterによって複数のプロトコルが抽象化され、セットアップアプリと稼働デバイスをAPI連携します。端的に言えば、Appleユーザーの方はMatterやHomeKitに対応したアクセサリーを「ホーム」アプリやSiriでシームレスにコントロールできるようになるため、メリットを感じやすいでしょう。

初期設定が簡単になる
Matterが導入されると、セットアップアプリの初期設定が今までよりも簡単になります。従来は、
- アプリをダウンロード
- アカウント登録
- ハブデバイスと接続
- WiFi設定
- スマートスピーカーと連携
といった作業が必要でした。しかしMatterにより複数のプロトコルが抽象化され、各種アプリとの間でAPI連携が行われるようになると、QRコードやGoogle Fast Pair機能(Bluetoothデバイスをスマートフォンとペアリングする機能)など初期設定がより簡素化されます。
異なるメーカーのデバイスを連携できる
Matterと互換性を持つハブデバイスであれば、異なるメーカーのデバイスを連携できます。スマートホームの目的はネットを通じてスマートデバイスを外部サービスと連携し、住居内の利便性を向上させることであるにもかかわらず、実際はメーカーを越えて連携させる仕組みが整っていませんでした。しかし、Matterによってメーカー間の垣根がなくなり、スマート家電同士がシームレスに連携されるようになります。
安定性が向上する
原則インターネット接続が前提となっているスマートホームデバイスですが、Matterの導入によりこの常識も覆されるでしょう。Matterはインターネット接続が失われても動作する仕様で、特定の無線規格だけでなく、Ethernet、Wi-Fi、Bluetooth Low-Energyなどさまざまなネットワークで動作します。そのため防犯や空調家電など生活の根幹を担う重要な部分において、スマートホーム構築の安定性がより高くなるでしょう。ちなみにSwitchBotハブ2はWiFiをサポートしているため、よりスピーディーかつ安定的にデバイスをコントロールできます。
複数のハブデバイスを購入する必要がなくなる
ハブデバイスとは、複数のスマートホームデバイスを中継するデバイスのこと。複数のデバイスをWiFiに接続したり、伝送距離を延長したりする役割を果たしています。Matterが導入される前は、Amazon AlexaとGoogle Homeの対応ハブデバイスを使用しているユーザーがHomeKit対応デバイスをスマートホームに組み込みたい場合、HomePodやApple TV 4KなどHomeKitをサポートするハブデバイスを購入する必要がありました。現在では、ハブデバイスがMatterに対応していればハブデバイスをそれぞれ購入する必要がなくなります。
Matter対応SwitchBotハブ2のメリット
SwitchBotハブ2はMatterに対応したハブ機能を有したスマートリモコン。リモコン機能としては、4800社以上・8万3000以上の製品に対応しており、半年ごとに赤外線コードのアップデートを実施する予定です。リモコン機能以外にもスマート温湿度計、スマートボタン、スマートホームハブという4つの機能が内蔵されています。
SwitchBotのBluetooth製品も、MatterをサポートしたSwitchBotハブ2と連携することで、Google HomeやAmazon Alexaに加えてHomeKitから便利にSwitchBot製品を操作できるようになりました。(Amazon Alexaについては、SwitchBotハブ2でSwitchBotカーテンやSwitchBotブラインドポールがHomeKitやGoogle Homeに同期する形です)ここでは、SwitchBotハブ2を使ってMatter経由でSwitchBot製品をコントロールするメリットを解説します。

Matter対応のSwitchBot製品
- SwitchBotカーテン
- SwitchBotブラインドポール
- SwitchBotボット
- SwitchBotロック
- SwitchBot温湿度計
- SwitchBot温湿度計プラス
- SwitchBot開閉センサー
- SwitchBot人感センサー
SwitchBotのBluetooth製品が認証が完了次第OTAアップデートにてMatter対応し、HomeKitと連携する予定です。最新情報は公式サイトにてご確認ください。

ホームアプリへの対応がしやすくなる
Apple HomeKitはiPhoneをはじめとしたiOS搭載機器でスマートホームを実現するための仕組みです。SwitchBot製品がSwitchBotハブ2とBluetooth接続することで、Apple HomeKitに対応。ホームアプリからのカーテンの開閉操作や、HomepodやApple Watchでの操作ができるようになります。

追加デバイスを購入することなくMatterに対応できる
従来はApple HomeKitからスマートホームデバイスを操作するならHomeKit対応のデバイスを、Amazon Alexaから操作するならAlexa対応のデバイスを購入する必要がありました。Alexa対応のデバイスを所有しているユーザーが「Hey,Siri」というウェイクワードでデバイスを操作したいと考える場合、デバイスの全てをHomeKit対応のものに買い換えなければいけない、これが今までの常識です。
一方、Matter規格に対応した製品であれば規格が統一され、HomeKitやAlexa、Google Homeなどを横断的に利用できるため、対応デバイスを追加購入する必要がありません。例えば、今までAlexaでSwitchBot製品をコントロールしていたAppleユーザーの方は、SwitchBotハブ2があれば追加デバイスを購入することなくMatter経由でApple HomeKitからSwitchBot製品をコントロールできるようになります。
さらにスマートホーム家電が豊富になる
Matterにより通信規格が統括されると、製品開発への障壁が取り除かれることになるため、よりさまざまなスマートホーム製品やIoTデバイスが増える可能性があります。日本では多くのiPhoneユーザーがいますが、多くのスマートホームデバイスはAlexa対応でApple HomeKitには対応していませんでした。しかしMatterが一般化されることで、さまざまなデバイスをHomeKitから操作できるようになり、ユーザーにとってもよりスマートホームデバイスが身近になるはずです。
SwitchBotハブ2のデモ動画
SwitchBotハブ2は、Amazon AlexaやGoogle アシスタント、Siri ショートカットという3つの音声アシスタントに対応しています。実際に「OK,Google」や「Hey,Siri」といったウェイクワードでSwitchBotカーテンやSwitchBotブラインドポールを操作する様子は、下記の動画でご確認ください。
SwitchBotハブ2に関するQ&A
SwitchBotハブ2に接続するためにSwitchBot製品を買い換える必要はありますか?
買い換える必要はございません。これまでのBluetooth型のSwitchBot製品はSwitchBotハブ2に接続すればそのままMatterに移行できます。
SwitchBotハブ2とSwitchBotハブミニの違いは?
SwitchBotハブ2もSwitchBotハブミニもハブデバイスとしての機能とスマートリモコンとしての機能を備えている点では共通していますが、SwitchBotハブ2がMatter対応であるのに対し、SwitchBotハブミニはMatterに対応していません。
スマートリモコン機能については、SwitchBotハブ2は主な赤外線LEDの他に補助用赤外線LEDを6つ搭載することで、赤外線送受信範囲が強化され、赤外線送信範囲がSwitchBotハブミニの約2倍となりました。リモコン機能は4800社以上、8万3000以上の型番の製品に対応しています。(半年ごとにアップデートを実施し新製品にも順次対応していく予定です)また、SwitchBotハブ2には温湿度計と照度センサーも搭載されており、SwitchBot温湿度計の代わりとしても活用できます。
エアコン、テレビなどの赤外線家電も、ハブ2経由でホームアプリに同期できますか?
できません。現在、SwitchBotカーテン、SwitchBotブラインドポールなどSwitchBotのBluetooth製品が、ハブ2経由でホームアプリに同期できます。
他のSwitchBot製品もハブ2経由で、Matterに対応する予定ですか?
はい、そうです。今年中に、SwitchBotのBluetooth製品が順次ハブ2経由でMatter対応予定です。開発段階なので、最新情報についてはは引き続き公式Twitterや公式アプリなどをご留意いただければ幸いです。
Matterをサポートするのにアプリをダウンロードする必要はありますか?
ありません。今お使いのApple Homeや、Google HomeなどのセットアップアプリとSwitchBotアプリをそのままお使いいただけます。ただし、Matterを介してSwitchBot製品をコントロールする場合は、Apple HomePod mini、Google Nestなどのスマートスピーカーが必要です。
*SwitchBotカーテンをお使いの場合は、SwitchBotアプリにてキャリブレーションの必要があります。
まとめ
Matterはアメリカの無線通信規格標準化団体が策定したスマートホームのためのIoT共通規格です。Matterは乱立していたスマートホーム規格を統一し、相互運用性を担保します。ユーザーにとってもスマートホームデバイスを接続性で選択する必要がなくなりますので、より多くの人がスマートホームを構築しやすくなるでしょう。
SwitchBotハブ2はスマートホーム規格Matterに対応しIR Decoding機能を搭載したスマートリモコン。SwitchBot製品は、一部製品を除いてAppleのHomeKitに非対応でしたが、Matter対応のSwitchBotハブ2を介することでAppleのホームアプリからも直接コントロールが可能になります。今後もファームウェアアップデートでさまざまな機能を追加していく予定です。

SwitchBot ハブ2

SwitchBot ハブミニ